☆湯梨浜町立泊小学校の5年生、ウニ蓄養現場の泊漁港へ校外学習☆

 ウニの学習から1週間後の11月20日に、ウニの学習をした泊小学校の5年生20人は校外学習でウニ蓄養現場の泊漁港へ。

 この日は、実際に漁協でウニ蓄養を行っている漁業者の朝日田卓朗さんがウニ蓄養の状況を実際に、ウニの飼育かごを引き上げ、かごを掃除し、餌を与える作業を行いながら、「1かごに400gのキャベツを用意します。キャベツは鳥取のキャベツの一大産地である倉吉の農家さんが『ぜひウニの餌に』と提供してくれているんですよ。ウニが餌を捕獲しやすいように、刻んであげています。これが3~4日でほとんどなくなります。今、1かごに50個くらいのウニがいて、56かご蓄養しているんですよ。」等、分かりやすく説明をしてくださいました。

 蓄養している様子を見学し終えた子供たちに「ウニのこと、鳥取の漁業のこと、海のこと、何でもいいですよ。」と問いかけると、たくさんの手が上がり、「掃除が大変そうでした。1回の作業はどのくらいかかりますか?」、「ウニは増えているのですか?」、「ウニに必要な栄養は何ですか?」といったこれまでの学習から疑問に思った率直な質問から、「泊の海にはどのような魚がいますか?」、「夏と冬で波の高さや海の色が違うのはなぜですか?」といった普段見ている海に関する少し難しい質問まで、たくさんの質問があげられ、「作業は、3人で10時から12時半くらいまでしているんですよ。」、「私が漁師になった20年前にはウニを獲って出荷しようと思うほど、ウニはいなかったが、ここ5、6年くらいでとても増えてウニだらけになってしまいました。」、「泊の海には、アジやサワラ等、皆さんがスーパーで見るような魚のほか、今、定置網漁業にも取り組んでいて、そこにはこんな大きなマグロも入るんですよ」、「波の高さや色は天気や風向き等の影響でも変わるんですよ」等、朝日田さんから一つ一つの質問に丁寧に回答をいただきました。

 「蓄養していてうれしいことは何ですか?」の質問には、「キャベツを食べたウニを誰かが食べておいしいなと思ってくれていることを想像するとうれしくなります。」とのこと。また、「蓄養する際に気を付けていることは?」の質問には、「今はまだ試行段階なので、水温をチェクしたりしながら、例えば死んだときにはなぜ死んだのかなと後々、こういう事業をやるときに参考になるよう記録をとっています。」等、漁業者の方がどのような思いで蓄養に取組んでいるのかを知っていただくこともできました。

 最後に、古田事務局長からの「次は、ぜひ食べてみましょう!」の声に、子供たちの表情は一気に明るくなりました。2月にウニと藻場の恵みであるサザエを使った給食を予定していることを報告。「ウニは食べたことがないから、楽しみ。」等の声も聞かれました。

 参加した生徒からは、「ウニの話は授業でも聞いていたが、思っていたより蓄養しているウニの数が多くてびっくりした」、「エサやりを実際に見て、思っていたよりたくさん食べていることに驚いた。」、「ウニのキャベツの食べ方が分かってよかった」等、実際に見たからこそ感じることのできた感想や、「ウニはウニでいてもいいと思うけど、被害を与えない、いいウニになってくれたら良いと思う。」、「身になったウニしかみたことがなかったが、本物のウニも見て、どのようにして僕たちが食べることができるのかが分かり、良かった」、「ウニが増えてきているのでいろいろ世話が大変だなと思った。海の環境を悪化する悪そうなやつだなと思ったけど、この勉強を通じて悪いけど僕たちの食べ物も支えてくれる生き物だと思った。」、「今後、私たちも海にごみを捨てないようにして、海をきれいにしていきたい。」等、このたびの見学で、ウニのたくさんの餌の調整する漁業者の努力や、育てているウニから海の環境や自分たちの生活に思いを馳せた感想もあり、古田事務局長からは、「子供たちはウニを実際に見て、目が輝いていた。ウニを通して、海の現状や藻場の重要性について知ってもらい、鳥取の海や漁業に関心を持っていただけるとうれしい」とウニ授業に手ごたえを感じることができました。

海と日本PROJECT【日本財団】